浄化槽情報

浄化槽に関するQ&A

浄化槽とは?

浄化槽は、台所や風呂、洗濯などの生活雑排水やし尿を槽内に運び、バクテリア(微生物)の働きにより分解処理をし、処理水を槽外へ排出するしくみのものです。

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BODってなに?

水中の有機物が微生物の働きで分解されるとき、酸素が消費されます。それを指標としたもので多量の有機物があるとき[汚れが大きいとき、酸素は多量に消費されます。すなわちBODの値が大きいということは、汚れた水であるといえます。そして生活環境(周辺水域)を汚すのは、し尿の放流水だけでなく家庭排水も大きな汚染源です。

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再生紙のトイレットペーパーを使用してよいですか?

市販のJIS規格のトイレットペーパーであれば、再生紙でももちろんかまいません。しかし、その他の紙やおむつなどは流さないでください。また、ペーパーを多量に使いすぎますと、汚泥の量が短い期間で多くなり、清掃の間隔を狭めることになります。

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衛生的だと思い、小便でも十分に水を流しますが。

水洗便所の水はおおむね、大便の時15リットル、小便の際には5リットルになっています。トイレの洗浄水は十分流す必要がありますが、必要以上に流すことはありません。また、音消しのためのトイレの使用前後の水使用もできれば控えたいものです。水の使用が多すぎると合併処理浄化槽の能力低下につながります。

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不要になった殺虫剤などを生活排水として捨てたいが。

塩酸などの強酸やクレゾールなどの消毒薬、防腐剤、庭の花木の殺虫剤などは生活排水として絶対に流さないでください。合併処理浄化槽は、生きている微生物の働きを利用して汚物を浄化しています。それらが合併処理浄化槽に入ると、浄化槽の中で働く微生物が全滅したり、弱ったりして、せっかくの浄化の機能が台無しになり、汚物が分解されなくなります。

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一年前の灯油が不要になり捨てたいが。

石油類を流してはいけません。石油を大量に流したり、農薬や消毒剤を流して、浄化槽が全く機能しなくなったときは、やがて悪臭が出て異常事態に気がつくことになります。その際は浄化槽の臨時の清掃が必要となります。

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魚や野菜くずなどは細かく砕いて流すと、浄化槽内の微生物の餌になると思うのですが。

微生物の格好の住まいである浄化槽も限られたスペースですから、おのずと能力の限界があります。家庭用の小型合併処理浄化槽は台所のゴミをすべて引き受けるように作られてはいません。台所から出る魚のアラ、野菜のくず、食べかすなどはできるだけ流さないようにしましょう。特に天ぷら油は決して流さないように。

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魚のゴミはディスポーザーで砕いているが…。

現状では、ディスポーザーの使用に合併処理浄化槽は対応していません。台所からでる生ゴミ、はできるだけ細かいゴミも回収してください。流しの排水口に被せる市販の専用ネットもありますが、履き古したストッキングを適当な大きさにきり、ネットとして利用できます。ストッキングの編み目は細かいため、小さな生ゴミまで回収できます。ディスポーザーを使用する場合は、専用のディスポーザー対応型合併処理浄化槽が必要です。

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使い古しの食用油は牛乳パックに入れ、可燃性のゴミに出していますが。

非常によい心づかいです。廃油は台所のパイプが詰まる原因にもなりますし、浄化槽の微生物には手に負えない代物です。油のBOD(生物科学的酸素要求量といい、微生物が汚れを分解するのに必要な酸素要求量)は150万㎎/リットルです。

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浄化槽の微生物はどのような働きをしますか?

バクテリアや原生動物などの微生物は、浄化槽の中で汚物(有機物)を食べて汚水を浄化します。微生物の中には空気を必要とするものと、必要としないものがありますが、これらの微生物のそれぞれが働きやすいように環境を整えてやることが大切なことです。

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泡が出ていますが。

トイレの洗剤を多量に使用したとき、常時医薬品を服用されているときなどの原因が考えられます。トイレの洗剤が原因と考えられる場合には、直ちに使用を止めて下さい。

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消毒薬はどれぐらいもちますか?

浄化槽の使用状況などにより、早く溶解することがあります。月に1~2回は確認して、ない場合は保守点検業者に連絡するか、自分で補充すると良いでしょう。

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浄化槽の上に物を置いても良いのでしょうか?

上部に物を置きますと通常の機器の点検、調製や故障時の作業が出来にくくなりますので避けて下さい。

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便器の掃除に洗剤などを使用しても良いでしょうか?

洗剤やカビ落とし剤は、使用方法の誤りがなければ影響がないと思われます。しかし、塩酸などの洗剤は、大切な微生物が死んでしまうことがありますので十分注意して下さい。汚れの少ないうちに、早めにぬるま湯などで洗いましょう。

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ブロアーの電源は切っても良いですか?

ブロアーは浄化槽内の微生物に空気を与えたり、水を撹拌する働きをしております。電源を切ると微生物が死んでしまうため、汚水が浄化されず悪臭を発生し、汚水がそのまま流れ出たりします。ですから、電源は切らないようにしてください。

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浄化槽は維持管理が大切だといわれますが、何故でしょうか?

し尿浄化槽の性能は建築基準法・浄化槽法によって定められており、正しく使えば汚水は基準に適合した放流水となるよう設計されています。
しかし、使い方が悪かったり、適切な維持管理が行われていなかったりしますと、放流水質が悪くなったり、悪臭を出したり、最悪の場合には、未処理のまま放流の事態を引きおこしたりします。したがって、適切な維持管理を行うことが大切になります。

注記1.

浄化槽については「浄化槽法」という法律が施行されています。
この法律の中で浄化槽の維持管理について「浄化槽を使用する者は、浄化槽の機能を正常に維持するための浄化槽の使用に関する厚生省令で定める準則を遵守しなければならない」(浄化槽法 第3条第2項)以下数多くの規則が示されています。
浄化槽は維持管理が大切なことを改めて認識くださるようお願いします。

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浄化槽は最初の保守点検を、使用開始の直前に行うよう定められているとのことですが、どのような作業でしょうか。
施主の私が実施したいと考えていますが。

保守点検については浄化槽管理者の義務として第1回目を使用開始の直前に、またそれ以降は定められた期間ごとに定期的に実施するように定められています。
この保守点検は浄化槽の機能を正常に保つためには必要不可欠の業務であり、浄化槽法では次のように定義されています。

浄化槽の保守点検

浄化槽の点検、調整又はこれらに伴う修理をする作業をいう(法 第2条第3号)

この保守点検の実施にあたっては、保守点検の技術上の基準が示されています。
この基準を守るためには相当の専門的知識や技能、経験及び専用の器具や機材を必要とします。したがって一般の使用者、浄化槽管理者では対処が非常に困難であると思われます。
ぜひ、浄化槽管理士の資格がある保守点検業者と契約され、その実務を委託されることをおすすめします。

参考1.法 第8条

浄化槽の保守点検は、浄化槽の保守点検の技術上の基準に従って行われなければならない。

参考2.法 第4条第5項

浄化槽の保守点検の技術上の基準は、環境省令で定める。

参考3.環境省令第17号第2条

法第4条5項の規定による浄化槽の保守点検の技術上の基準は、次のとおりとする。

浄化槽の正常な機能を維持するため、次の掲げる事項を点検すること。

イ. 前条の規則の遵守状況
ロ. 流入管きょと槽の接続及び放流管きょと槽の接続の状況
ハ. 槽の水平の保持の状況
ニ. 流入管きょにおけるし尿、雑排水等の流れ方の状況
ホ. 単位装置及び附属機器類の設置の位置の状況
ヘ. スカムの生成、汚泥等の堆積、スクリーンの目づまり、生物膜の生成その他単位装置及び附属機器類の機能の状況
(二)流入管きょ、インバート升、移流管、移流口、越流ぜき、流出口及び放流管きょに異物等が付着しないようにし、並びにスクリーンが閉塞しないようにすること。
(三)流量調整タンク又は流量調節槽にあっては、ポンプ作動水位及び計量装置の調整を行い、汚水を安定して移送できるようにすること。
(四)ばっ気装置にあっては、散気装置が目づまりしないようにし、又は機械かくはん装置に異物が付着しないようにすること。
(五)駆動装置及びポンプ設備にあっては、常時又は一定の時間ごとに、作動するようにすること。
(六)嫌気ろ床槽にあっては、死水域が生じないようにし、及び異常な水位の上昇が生じないようにすること。
(七)接触ばっ気室又は接触ばっ気槽にあっては、溶存酸素量が適正に保持されるようにし、及び死水域が生じないようにすること。
(八)ばっ気タンク、ばっ気室又はばっ気槽及び流路にあっては、溶存酸素量及び混合液浮遊物質濃度が適正に保持されるようにすること。
(九)散水ろ床型二次処理装置又は散水ろ床にあっては、ろ床に均等な散水が行われ、及びろ床に嫌気性変化が生じないようにすること。
(十)平面酸化型二次処理装置にあっては、流水部に均等に流水するようにし、及び流水部に異物等が付着しないようにすること。
(十一)汚泥返送装置又は汚泥移送装置にあっては、適正に作動するようにすること。
(十二)吸着剤、凝集剤、水素イオン濃度調整剤その他の薬剤を使用する場合には、その供給量を適度に調整すること。
(十三)悪臭並びに騒音及び振動により周囲の生活環境を損なわないようにし、蚊、はえ等の発生の防止に必要な措置を講じること。
(十四)放流水(地下浸透方式の浄化槽からの流出水を除く。)は、環境衛生上の支障が生じないように消毒されるようにすること。
(十五)前各号のほか、浄化槽の正常な機能を維持するため、必要な措置を講じること。

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建売り住宅に入居しました。戸別に浄化槽が設置されています。
浄化槽の管理を業者に頼みたいと思いますが、どこへ問合せすればよいのでしょうか。

浄化槽の正常な機能を保つためには維持管理が大切なことは別項のとおりです。
この維持管理については大別して次のようなことが示されています。
浄化槽の「使用に関する準則」を守ること
「浄化槽の保守点検」は技術上の基準に従って、定められた期間ごとに定期的に実施すること。
「浄化槽の清掃」は技術上の基準に従って毎年1回(特例により全ばっ気型は6カ月に1回以上)実施すること。
「水質に関する検査」を毎年1回受けなければならないこと。
保守点検や清掃等の「記録を保存」しておくこと。

おたずねの管理業者は上記の「浄化槽の保守点検」を業とする「浄化槽保守点検業者」です。
この業者の連絡先は、建設会社や設備会社に問合せてくだされば紹介していただけます。
また、浄化槽メーカーに問合せがあれば紹介をいたします。
なお、詳細は、県振興局環境課等におたずねください。

注記1.

浄化槽保守点検業者は登録制度となっています。必ず都道府県知事の登録を受けた業者と契約してください。
なお、一部の県にはこの登録制度が設けられていない場合があります。
この場合には「浄化槽管理士」に保守点検を委託することになります。

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浄化槽法の規定に違反すると処罰されることがあるそうですが、どのようなことで罰せられるのでしょうか。

浄化槽法では、最高1年以下の懲役又は150万円以下の罰金から、5万円以下の過料までの罰則が定められています。
この中で浄化槽管理者に関係する違反行為には次のようなことがあります。

浄化槽法 第12条第2項の命令違反(法 第60条)

都道府県知事が、保守点検又は清掃が定められた基準に従って行われていないと認めて、改善措置や10日以内の使用停止を命じた場合に、この命令に違反しますと処罰されます。

●6カ月以下の懲役又は100万円以下の罰金

法 第5条第1項の届け出違反(法 第61条第1号)

無届け又は虚偽の届けで浄化槽を設置した場合には処罰されます。

●3カ月以下の懲役又は50万円以下の罰金

法 第5条第3項の命令違反(法 第61条第2号)

届け出た浄化槽の設置計画が不適正であると認めて出された変更命令又は廃止命令に違反しますと処罰されます。

●3カ月以下の懲役又は50万円以下の罰金

法 第5条第4項の着手違反(法 第62条第1号)

設置の届け出が受理されてから21日間(型式認定を受けた浄化槽は10日間)を経過する前に浄化槽工事に着手しますと処罰されます。

●30万円以下の罰金

法 第10条第2項の規定違反(法 第62条第2号)

501人以上の浄化槽には、技術管理者を置くよう定められていますが、この技術管理者を置かなかった浄化槽管理者は処罰されます。

●30万円以下の罰金

法 第53条第1項の報告違反(法 第60条第10号)

行政庁から浄化槽の保守点検や清掃等に関して報告を求められた場合、報告をしなかったり又は虚偽の報告をしますと処罰されます。

●30万円以下の罰金

法 第53条第2項の立ち入り検査違反(法 第62条第11号)

行政庁が必要と認めて行う立ち入り検査に際して、この検査を拒んだり妨げたり、質問に対して答えなかったり嘘の答弁をしたりしますと処罰されます。

●30万円以下の罰金

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浄化槽は水質に関する検査を受けるよう義務づけられているとのことですが、どういうことでしょうか。

すべての規模の浄化槽について、浄化槽管理者は「水質に関する検査」を受けるように浄化槽法で定められています。
浄化槽がその機能を正常に保つことにより所定の放流水質を維持していくには、浄化槽の工事や保守点検、清掃等、適切に実施されていることが極めて大切であります。
よって、これらの状況を検査するよう義務付けられているのです。
この検査には次のように使用開始の際に受ける「設置後等の水質に関する検査(7条検査)」と、その後毎年受ける「定期検査(11条検査)」があります。

7条検査

浄化槽の使用開始後、3カ月を経過した日から5カ月の間に受ける水質検査です。

11条検査

毎年1回、定期的に受ける水質検査で、保守点検や清掃が適正に実施されているかどうかを判断するための検査です。

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浄化槽の水質検査は頼まなくても検査の係の人が来てくれるでしょうか。

平成7年6月20日付で、厚生省生活衛生局水道環境部長から出された「浄化槽法第7条及び第11条に基づく浄化槽の水質に関する検査の項目、方法その他必要な事項について」の中で検査の時期の項に「浄化槽の水質に関する検査は、当該浄化槽の管理者から検査の依頼があったときに速やかに行うものとする。」とあります。
したがって、浄化槽管理者であるあなたが頼むことになります。
また、平成18年2月1日に改正された浄化槽法では、法定検査を実施していない場合に都道府県知事は勧告命令を行うことができ、さらに勧告命令に違反した者は30万円以下の過料に処することになりました。

注記1.

この検査は有料です。
料金は浄化槽の大きさ(人槽)により異なります。

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浄化槽の水質検査はどこへ頼めばよいのでしょうか。

水質に関する検査には設置検査と定期検査があることは別項のとおりです。
この検査は都道府県知事が指定する「指定検査機関」に申し込むことになります。
詳しくは県振興局、環境課または市町村役所へおたずねください。

注記1.

この検査の手続きについては次のように示されています。
それぞれの業者が代行して申し込む場合もあります。
浄化槽管理者は、設置後等の水質検査に係る手続きを、当該浄化槽を設置する浄化槽工事業者に委託することができる。
(厚生省令第17号第4条第2項)

浄化槽管理者は、定期検査に係る手続きを、当該浄化槽の保守点検又は清掃を行う者に委託することができる。
(厚生省令第17号第9条第2項)

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浄化槽の水質検査はどのようなことがらが検査されるのでしょうか。

この検査の内容はそれぞれ次のように定められています。
(衛浄第33号)

とくに注意していただきたいことは、保守点検業者の保守点検記録表や清掃業者の清掃記録表を大切に保管しておく必要があることです。
なお、これらの記録は3年間の保存が義務付けられています。

1.法第7条に基づく浄化槽の水質に関する検査の項目

法7条に基づく浄化槽の水質に関する検査は、当該浄化槽が、その機能をおおむね発揮した時点において、初期の処理機能を有するか否かに着目し、設置の状況を中心として、次の項目について実施するものであること。

(1)外観検査

外観検査の項目は以下のとおりとし、浄化槽の設置場所において、その設置されている状態を観察するとともに浄化槽内部を目視すること等により実施すること。

ア 設置状況
イ 設備の稼働状況
ウ 水の流れ方の状況
エ 使用の状況
オ 悪臭の発生状況
カ 消毒の実施状況
キ か、はえ等の発生状況

(2)水質検査

水質検査の項目は原則として以下のとおりとすること。

ア 水素イオン濃度
イ 汚泥沈殿率
ウ 溶存酸素量
エ 透視度
オ 塩素イオン濃度
カ 残留塩素濃度
キ 生物科学的酸素要求量

(3)書類検査

使用開始直前に行った保守点検の記録等を参考とし、適正に設置されているか否か検査すること。

2.法第11条に基づく浄化槽の水質に関する検査の項目

法第11条に基づく浄化槽の水質に関する検査は、当該浄化槽が適正な維持管理により所期の処理機能が確保されているか否かに着目し、保守点検及び清掃の状況を中心として、次の項目について定期的、継続的に実施するものであること。

(1)外観検査

外観検査の項目は原則として以下のとおりとし、浄化槽の設置場所において、その設置されている状況を観察するとともに、浄化槽内部を目視すること等により実施すること。

ア 設置状況
イ 設備の稼働状況
ウ 水の流れ方の状況
エ 悪臭の発生
オ 悪臭の発生状況
カ 消毒の実施状況
キ か、はえ等の発生

(2)水質検査

水質検査の項目は原則として以下のとおりとすること。

ア 水素イオン濃度
イ 溶存酸素量
ウ 透視度
エ 残留塩素濃度
オ 生物化学的酸素要求量

(3)書類検査

保存されている保守点検及び清掃の記録、前回の検査の記録等を参考とし、保守点検及び清掃が適正に実施されているか否かについて検査を実施すること。

(4)その他.

(2)水質検査の結果において、オ 生物化学的酸素要求量を導入する際の留意事項については別に示すところによるものとすること。

注記1.

水質検査の獲検査項目の望ましい範囲

1. pH 5.8~8.6
2. 汚泥沈殿率 単独処理浄化槽 10%以上60%以下
合併処理浄化槽 10%以上
3. 溶存酸素量 単独処理浄化槽 0.3mg/リットル以上
合併処理浄化槽 1.0mg/リットル以上
4. 透視度
BODの処理性能
90mg/リットル以下 7度以上
60mg/リットル以下 10度以上
30mg/リットル以下 15度以上
20mg/リットル以下 20度以上
6. 塩素イオン濃度 単独処理浄化槽 90mg/リットル~140mg/リットル
7. 残留塩素 検出されること
8. BOD 処理性能以下
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私の家には5人用の浄化槽が設置してあります。
保守点検を地元の浄化槽保守点検業者と契約していますが、それでも水質検査は受けることになりますか。

規模の大小にかかわらず、すべての浄化槽はこの「水質に関する検査」を受けるように規定されています。
この検査には7条と11条の2種類があることは別項のとおりですが、その中の「定期検査」は「保守点検や清掃」が適性かどうかを検査されるわけですから、保守点検を委託契約されている場合でもこの検査を受けなければなりません。

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検査が不合格になった場合はどうすればよいのでしょうか。

この場合は県(一部は市)の指導がありますので、その指導にしたがって改善をすることになります。
浄化槽は私たちが、より文化的、快適に生活が営めるように設置し、使用しているものです。管理をおろそかにしたために非衛生的になったり、他人に迷惑をかけるようでは本来の目的に反することになります。この法律の規定を一つの機会に、今一度お宅の浄化槽を見直していただいて、正常な浄化槽機能を発揮するようご協力願います。

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小型合併処理浄化槽の保守点検の回数はどれぐらいですか。
水質検査などは単独浄化槽の場合と同じですか。

1.保守点検の回数

浄化槽の初期の保守点検については、浄化槽の使用開始の直前に行うよう定められています。
(環境省令第17号、第5条第1項)
そして毎年1回浄化槽の保守点検をしなければなりません。
(浄化槽法第10条第1項)
しかし保守点検の回数については厚生省令で特例が定められ、小型合併処理浄化槽の場合は

  • 5~20人槽は4カ月に1回(以上)
  • 21~50人槽は3カ月に1回(以上)

とされています。

2.清掃の回数

浄化槽の清掃については少なくとも毎年1回以上実施することが義務付けられています。(浄化槽法、第10号第1項)小型合併処理浄化槽の場合もこれに該当します。清掃の内容に関しては「清掃の技術上の基準」が示されていますのでこれにしたがって作業をします。

3.水質検査の回数

すべての浄化槽について、「水質に関する検査」を受けるよう浄化槽法で定められています。内容はQ20を参考にしてください。


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