会長メッセージ

2014年 年頭所感

全国環境整備事業協同組合連合会 
会長 玉川福和


平成26年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

平成の時代も四半世紀を越え、私たち清掃業界は、いまの仕事の創業者から二代目と三代目の段階に入ってきました。二代目の世代は、親の仕事が清掃業であるがために、嫌な思いをしながら人生を歩んできた人もいます。三代目の世代は素直にこの業を見ながら、何の偏見も感じずにいる人もいる。

世の中には人種差別や職業蔑視がたくさんあります。人種差別においては大きな犠牲と長い時間を掛けて現在があるが、私自身を振り返ると、職業蔑視に対して努力した痕跡は無かったと思っています。

これまでは、役所が職業を差別しているとなると、団結するんだと言って皆で集まり団体交渉に臨んだり、場合によってはバキュームカーを連ねた抗議行動を長年続けてきました。

また、岐阜県ではこれまで清掃、保守点検、法定検査と浄化槽利用者の一括契約を推進してきました。

お客さんに不便をかけないよう、一括契約して料金は口座から自動引落しにするといった内容でしたが、実際には私たち業界にとって便利なだけの仕組みでした。

その後、下水道法改正の必要を政府に働きかけ、法案が国会に登場する段階にたどり着いた時、国土交通省の猛反対にあいました。

「あんなデタラメな維持管理の浄化槽に下水道の代わりは出来ない」として国会議員を説得していき、与党の国会議員もそれに説得されてしまう。なんと情けないことだろうと思いましたが、どこに説得力があったのかよくよく考えると、あながち彼らの言うことに嘘は無いと気付くに至りました。

浄化槽設置者には、保守点検、清掃、法定検査の3つの義務があります。

浄化槽は保守点検を行って良好な状態を維持しながら、1年経って溜まった汚泥を浄化槽から引き抜く。法定検査は、その保守点検が適正に行われているか、清掃の状態はどうなのかを現場で確認します。

私は三者契約をすれば浄化槽はいい加減な維持管理体制から脱却できると考えていましたが、3つの業種は連携する必要がある事に気付きました。3業種が連携し限りなく良い処理水を求める、この使命感があって初めて私たち業界はお客さんから料金をいただくのだと。

しかし3つの業種は一切、連携せず、それぞれの業種が作業はしっかりやっていると言うだけ。パソコンは単なる顧客台帳にすぎないのが現実です。

良い処理水を出すための水処理台帳は存在しているのか。水処理とは何かというと、3つの業種がそれぞれに必要事項を申し送りする事が重要です。保守点検は「こういった管理をしたので、清掃作業ではこうしてください」と申し送る。清掃は「申し送りの通りに実施しましたが、こういった手落ちを確認したので、清掃作業でこのように改善しました」といった情報のキャッチボールをする。そして法定検査はそのような実態を承知して、それでも結果が出ないところには、問題点がどこかを明確に指摘する。

浄化槽は日本で発明された、世界に誇れる排水処理装置です。

新たな年を迎え、良好な処理水を出すために浄化槽業界がやるべきことが明確になってきました。

社会的地位の向上とは、我々業界が仕事の中身を変えることにあります。

協同組合は何に団結するのかといえば、行政に自分たちにとって都合のいい部分を呑ませるのではなく「自分たちの仕事の中身を変えるために団結する」

人の一生は一瞬の出来事。仕事の内容に達成感を覚え、笑いたいものです。


pagetop