2012年 年頭所感
水処理業者
会長 玉川福和
昨年12月1日、参議院環境委員会において下水道法改正が議論された。とりわけ南蒲生浄化センターは、仙台市民70万人、全体の7割を行っていた下水処理場が、操業が不能状態になり、3月18日より下水を沈殿処理してその上澄み水を消毒し、水質はBODで100㎎/ℓを放流している。復旧の完了は平成28年3月までかかると国交省が答弁した。
下水を集合処理することによる二次的ダメージは、過去の震災で十分検証済みであったはずであるが、復興については同じ災害で同じ被害が出ることのないよう災害に強い街づくりを願うばかりである。できる限りのリスク分散をすることが生活排水(下水)処理に求められる。
一方、浄化槽の維持管理についてはいい加減であるとの国交省の指摘を検証する必要がある。保守点検については作業時間、年間の点検回数。
清掃業務においては、清掃業者が清掃に先立って行う点検を行う点検を一時的、単発的に見て清掃行為を行っている現状が見られる。昭和58年5月18日に示された清掃の技術上の基準に則して経時的に管理清掃する必要がある。
法定検査においても全国的に検査判定における基準が不明確な点が同様にある。これらを改め、三業種が統一システムの電子化を実行し、行政が適正業務をパソコン画面で確認することで、下水道への繋ぎから初めて卒業し、浄化槽の一元的「水処理業」と言い切れるようになる。
下水道法10条改正は、社会的にも認知され、補助金により設置された浄化槽が、後から工夫することなく計画された下水道に接続を強要される現行制度を改めるものである。
※地方財政においては、平成12年から21年までの10年間で、一般会計債務残高の増加は18兆円であり、うち12兆円が下水道の料金不足を補填したものであった。
法律的にも問題を抱え、無駄を省かねばならない政権が、「象徴的ダム建設と比較しても遙かに巨大と言える下水道事業とどう向き合うか」が岐路となる。
「政治主導」が日本で実行できるかどうかの判断を示すものである。